「認知症鉄道事故裁判・閉じ込めなければ、罪ですか?」を読んで

認知症
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今回は、「認知症鉄道事故裁判・閉じ込めなければ、罪ですか?」を読んでについて書いていきたいと思います。


今回読んだ書籍
認知症鉄道事故裁判 閉じ込めなければ、罪ですか? [ 高井 隆一 ]



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はじめに

先日、こんなツイートをしました。

これから高齢者がどんどん増え、それに伴い、認知症の高齢者も増えていく世の中。
「認知症鉄道事故裁判」で亡くなられた方は、認知症の方で、1人で外出した際に、駅のホームの端の鉄条網から線路内に入り、鉄道に轢かれてしまいました。
ホームの端の鉄条網には鍵が掛けられておらず、簡単に線路内に入れた状況でした。

本人が亡くなったショックが癒えない家族へ、JR東海から書類が届き、列車遅延の損害賠償請求がされ、それに納得できない家族との間で、裁判が開始されます。

列車遅延で、莫大な損害が出るのは、知ってはいましたが、何にそんなにお金がかかるのか??
私自身、興味がある部分でもありました。

※損害額※

・衝撃事故に伴う旅客対応に係る人件費:影響を受ける各駅
・衝撃事故に伴う旅客対応に係る人件費:影響を受ける信号通信区・電力区・運輸区
・振替乗車
・乗車券払い戻し
・その他
※衝撃の意味
➡列車が何かと当たった場合、鉄道の現場ではこの単語を使うそうです。

上記の中で、振替乗車に係る損害額が540万円くらい。
合計で700万円くらいの損害額。
振替乗車に係る損害額がこんなにもかかるのに驚きました。

事故の舞台

今回の事故が起きたのは、愛知県大府(おおぶ)市。

愛知県西部、知多半島の付け根に位置し、名古屋駅まで電車で15分くらいの距離。
総人口:92,254人。
東京都心だったら、さらに莫大に損害賠償額になっていたかもしれません。

鉄道事故が起こった時の鉄道会社の対応として、認知症の方が起こした事故に関しては、遺族側への配慮もあったりして、あまり、損害賠償を起こすケースはないそうです。
監督責任を追及すれば、裁判を起こした側が勝てるのが当たり前と解釈されていました。(今回の件の前までは)
そのため、JR東海は裁判を起こします。
裁判は、最高裁まで行き、被告側(遺族)が、逆転勝訴を勝ち取ります。

本を読んでいて「家族側は、適切な介護をしており、家族に損害賠償請求するなんてありえない」と介護職としての立場から憤りを感じました。
日中は、DSを利用するなど公的サービスを導入したり、お嫁さんが介護のために引っ越してきたりと、一家総出で、手厚い対応ができていた様子です。

本人の「自宅で暮らしたい」という願いをかなえるために、協力して介護していた家族の思いが伝わってきました。

また、遺族に対するJR東海の傲慢な姿勢に、不満を感じました。

最後に

本を読んで、
「認知症の方が、住み慣れた自宅で生活するのに、家族の理解や協力、地域社会での見守り、公的サービスを利用することで、在宅での生活を継続することができるのだな」と感じました。
訪問介護事業所の一員として、その一助になれるように、日々の業務に取り組んでいきたいと思います。

参考になれば幸いです。



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