今回は、これさえ読めば理解できる!「自立生活支援のための見守り的援助」について書いていきたいと思います。
自立支援の言葉はよく聞くけど、実際どうすればいいの?
自立支援の具体的な内容はどんなものがあるの?
そのような疑問を解決します!!
参考文献
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自立支援とは
自立支援とは
・利用者のできることを継続してもらう
・少しの工夫や手助けで、できるようになる
・自分で選んだり、決めたりできるように支援する
・社会(家族)の中で役割を持ってもらう
このように利用者に応じて自立に向けて支援をすること、利用者の「できる」を支えていくことを自立支援と言います。自立支援は身体介護に位置づけられます。
利用者のできるを発見し、できるを維持、できるを伸ばすことが大切になります。
自立支援と関係のある老計第10号について
老計第10号と何か??
老計第10号とは、訪問介護に期待されている内容を具体化するために作られています。
「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」において示す個々のサービス行為の一連の流れは、あくまで例示であり、実際に利用者にサービスを提供する際には、当然、利用者個々人の身体状況や生活実態等に即した取り扱いが求められることを改めて申し添える。」
老振発0330第2号より抜粋
要するに、
老計第10号で書かれていないこと以外はできないのではなく、老計第10号で記載された例示を参考に、実際に利用者への支援で何ができるかを考え、自立支援で何ができるかを考えることが求められています。
自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助とは何か?
自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ、常時介助できる状態で行う見守り等のことを言います。
身体介護として明記されていないものがあり、取り扱いが曖昧とのことで、明確化された経緯があります。「見守り的援助」に該当する行為が新たに追加されています。
【身体介護として実施するための4つの条件】
①明確な目的があること
②ケアプラン・訪問介護計画書に位置づけられていること
③達成可能な目標が設定されていること
・医学的な評価(主治医・PT・ST・OT等による評価
・日常的なデータの積み重ね(事実の積み重ね)⇒ケアの気づき
・担当者間での話し合い(担当者会議やカンファレンス)
上記を根拠に目標設定をしていきます。
④目標設定に向かっているかを頻回に共有すること
以上を踏まえて、身体介護として位置づけることができます。
自立支援の具体的な内容具体的(赤字は追加された内容)
●ベット上からPトイレ等(椅子)等へ利用者が移乗する際に、転倒防止のため付き添い、必要に応じて介助を行う
・身体機能の問題で、立ち上がるのが難しいのか?
・座る時が危ないのか?
・ズボンを上げ下ろしする時が、不安定になり、転倒の危険があるのか?
・どのくらいの介助量が必要なのか?
など、何ができて、何ができないのかを把握し、必要時介助する
●認知症等の高齢者がリハビリパンツやパッド交換を、見守り・声掛けを行う事により、一人でできるだけ交換し、後始末ができるように支援する
・適切な判断ができないのか?
・身体的な動作ができないのか?
などを把握し、利用者が一人でできる範囲で、自立支援のための働きかけを行う
●認知症等の高齢者に対して、ヘルパーが声掛けと誘導で食事・水分摂取を支援する
・食事や水分に対する摂取の意欲が少なくなる利用者に、定期的に食事や水分がが取れているか?
安全に食事、水分が取れているかを見守ることも支援となる
●入浴、更衣時の見守り
・必要に応じて行う介助
・転倒予防のための声掛け
・気分の確認などを含む
●移動時、転倒しないように側について歩く
・介護は必要時だけで、事故がないように常に見守る
●ベットの出入り時など自立を促すための声掛け
・声掛けや見守り中心で必要な時だけ介助する
●本人が自ら適切な服薬ができるよう、服薬時において、直接介助は行わずに、そばで見守り、服薬を促す
・体に触れない援助でも、自立支援につながる声掛け、見守りを行う事は身体介護の見守り的援助になる
●利用者と一緒に手助けや声掛け及び見守りしながら行う掃除、整理整頓(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)
・立ってはできなくても、座ってならできる行為等をアセスメントで把握し、役割分担をし、できることをやってもらう
●ごみの分別がわからない利用者と一緒に分別をしてごみ出しのルールを理解してもらう又は思い出してもらうよう援助
・ゴミ出しのルールについて、説明し、少しずつ理解してもらうように支援する
●認知症の高齢者と一緒に冷蔵庫の中の整理整頓を行うことにより、生活歴の喚起を促す
●洗濯物を一緒に干したり、畳んだりすることにより、自立支援を促すとともに、転倒予防等のための見守り・声掛けを行う
●利用者と一緒に手助けや声掛け及び見守りしながら行うベットでのシーツ交換、布団カバーの交換等
・シーツ交換や布団カバーの交換をする行為が身体的に負担がありできないのか?
・シーツを広げることはできないが、シーツの端をベットに織り込めるのか?
できるできないを見極め、必要時介助する
●利用者と一緒に手助けや声掛け及び見守りしながら行う衣類の整理・被服の補修
・衣類の整理・被服の補修という行為ができるのか、できないのかを把握し、できることをしてもらいながら、できない部分の手伝いをする
●利用者と一緒に手助けや声掛け及び見守りしながら行う調理・配膳・後片付け
・安全確認の声かけ、疲労の確認を含む
●車椅子等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるように援助
●その他、安全を確保しつつ常時介護できる状態で行うもの等であって、利用者と訪問介護員等がともに日常生活に関する動作を行うことが、ADL・IADL・QOL向上の観点から、利用者の自立支援・重度化防止に資するものとしてプランに位置付けられたもの
最後に
今回追加された見守り的援助に関しても、ケア開始すぐに利用者さんの状態は明確に把握できないケースがあるので、徐々に利用者さんの詳細な状態が把握できた時点で、ケアマネにプランに追加で入れてもらうのが良いかもしれません。
私たち自身が、利用者に自立した生活をしていただきたいという思いでケアを提供していく一方で、利用者に自立を強要することは尊厳を傷つけることになるので、注意が必要です。
ヘルパーが、利用者自身が自分でできるように支援する、できることを維持していくことで、利用者の自尊心が守られ、重度化も予防できる。
自立支援の考え、ケアでの実践を通して、利用者のその人らしい生活を支援していきましょう!
参考になれば幸いです。
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