統合失調症のTさんを知るために、ヘルパーとして何を学ばなければならないか?

疾患
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今回は、統合失調症のTさんを知るために、ヘルパーとして何を学ばなければならないか?について書いていきたいと思います。

介護太郎

統合失調症って良く聞くけど、具体的にどんな病気なのかな?

介護花子

症状に合わせた良い対応方法はあるのかしら?

走る介護福祉士

そのような疑問にお答えします!!



走る介護福祉士

訪問介護のヘルパーなら最低限押さえておきたい必読書3冊!!

①のほほん解剖生理学 [ 玉先生 ]
・体の仕組みについて、漫画で分かりやすい!!

②介護で使える!「医行為でない行為」がすぐできるイラスト学習帳 [ 服部万里子 ]
・イラストで解説されており、医行為でない行為が判別できるようになる!!

③ユマニチュード入門 [ 本田美和子 ]
・認知症の方を含めた介護の基本中の基本が学べる!!

はじめに

Tさんとは1年くらい前から、月に1回の自費サービスで外出援助のお手伝いをさせていただいています。
もう何十年も精神病院に入院されています。

話をしていても統合失調症だとは思えない方で、本当に統合失調症なの?
と疑問に思ってしまうくらい普通の方です。

病気について理解することが、利用者を理解することの助けになります。
では、統合失調症についてまとめていきます。

統合失調症とは

精神疾患の中で、最も多いのがうつ病などの気分障害です。
次に多いのが、統合失調症です。

統合失調症は様々な精神症状が現れる病気で、発症の原因は、はっきりとわかっていません。100人1人ぐらいの割合で発症する、頻度の高い病気です。

通常は、10代後半から30代半ばに発症し、有病率は男女間でほぼ等しいと言われています。

1度症状が現れると、状態が落ち着いても、服薬を続けながら一生付き合っていく必要があります。

統合失調症の特徴

「陽性状態」「陰性状態」「社会機能の低下」という特徴的な症状があります。
どの症状も本人にとってはつらいものですが、なかなか周囲にそのつらさは理解されません。

また、自分が病気であるという認識(病識)を持てないことが多く、妄想を「そんなことはあり得ない」と否定されることなどによって、周囲に対する不信感を募らせてしまうこともあります。

陽性症状

〇妄想:明らかに現実とは違うのに確信して、誰も訂正できない考えのこと。
「誰かに電話を盗聴されている」「みんなから狙われている」「いじわるされている」など、被害的な内容が多い。

〇幻覚:実際にないものが、あるように感じられる。
最も多いのが、「ばか」「あほ」のような批判的な言葉などが聞こえる「幻聴」。
その他、実際にないものが見える「幻視」、虫が体を這っているように感じる「体感幻覚」などがある。

〇思考の障害:話の脱線が目立つ。
つじつまが合わない、意味の通じない話をする。
言葉を発しなくなる。

陰性症状

〇感情の平板化:表情が無くなり、感情の起伏が乏しくなる。
周囲に対して無関心になる。

社会機能の低下

〇生活機能の低下:着替えや入浴、掃除、洗濯などをしなくなる。
同じものを食べ続ける。
外出や通院をしなくなる。

〇社会的孤立:被害妄想によって他者との関りを絶ち、自室に引きこもることもある。

統合失調症の方の支援で起こりやすいこと

【1】「つらさをわかってくれない」というクレームに繋がる!!

具体例:家を訪問したらカーテンを閉め切っていて、「監視されているんだ!」と言われた。

本人が感じていることをそのまま受け止め、辛さに共感する(決して否定はしない)。本人の言葉を繰り返して「監視されているのですね」と返答。「それは嫌ですね」などと共感する。

本人が感じている現実を否定せず受け止めるが、被害的な気持ちを強めないように、何度も確認したり、無理に同調したりしない。

【2】サービス提供や支援者を拒絶

具体例:いつものように訪問したら、ドアを開けてくれない。顔も見たくないと言われる。

ヘルパー、医師、相談支援専門員など関わる支援チーム全体で情報共有し、あらかじめ拒絶された時の対応を確認しておく。

拒絶や避難を言葉通りに受け取るのではなく、本人の現在の状態として理解する。
一人で抱え込まない。

【3】陽性症状が強まる

具体例:少し目が据わり、早口で現実的でない話をまくし立てる。

いつもと様子が違うと感じたら、サービス提供を中止し、すぐに訪問看護師や主治医などの医療職に連絡し、対応を相談する。

精神疾患を持つ人への支援では、障害福祉サービスだけが関わることはなく、ほぼ必ず医療職が関わるので、そのため連携が大切!!

最後に

統合失調症の特徴をまとめて、冷静に考えてみても、Tさんが統合失調症とはなかなか想像できません。

月に1回楽しみにしている外出ということで、うれしさや楽しみがあり、症状が抑えられているのかもしれません。
一緒に行動しているのは、数時間程度ですし。

症状を理解し、何かあった時の適切な行動指針として今回学んだことを生かして、Tさんの楽しみの外出をサポートしていきたいと思います。

統合失調症の方が書かれた本はたくさんありますが、その中でも私のおすすめの一冊です!!

参考になれば幸いです。

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