今回は、へバーデン結節についてまとめていきたいと思います。
私が担当させていただいてる利用者さんで、この病気の方がいらっしゃるので、気になり調べてみました。
その方は、要支援の認定を受けている方で、掃除の支援をメインとしてケアを行っています。聡明で品のある女性で、比較的お元気な方なのですが、へバーデン結節の為、掃除機がうまく扱えなかったり、雑巾が絞れないために、ケアに入っています。
「物をつかむのが大変で、最後まで指を曲げることができない、痛みがあり辛い」とのお話しを良くされます。
目次
1:へバーデン結節とは
2:原因
3:症状
4:診断と検査
5:治療法
6:最後に
1:へバーデン結節とは
指の第1関節(DIP関節:一番指先の関節)の背側にできる骨変形による膨らみの事を言います。
名前の由来は、1802年にこの病気を報告した英国の医師、William Heberden博士の名にちなんでへバーデン結節と呼ばれています。
この病気は、関節の表面を覆う軟骨の老化や摩耗によって起こる変性疾患(変形性関節症)です。
2:原因
正確な原因は不明ですが、40歳以上の女性に多く発症します。成因としては、加齢や指先の過度の使用などで起こるのではないかと言われています。
また、へバーデン結節は、中高年の女性に多く発症することから、背景に女性ホルモンの変調やストレスが多くかかる環境や、ストレスを受けやすい体質なども関係しているようです。
3:症状
人差し指から小指にかけてのDIP関節が赤く腫れたり、指が曲がったまま伸ばしにくくなったりし、痛みを伴うこともあります。また、DIP関節の背側に水膨れのようになること(ミューカスシスト:粘液腫)もあります。
①指先に力が入りにくい
②強く握るとDIP関節が痛む
③DIP関節の動き(屈伸:特に伸ばす方)が悪い
④DIP関節が腫れている
⑤DIP関節が変形している
上記の症状により、容器のふたが開けられない、つまむことができない、テレビなどのリモコンが持てない、箸が持てない、包丁が握れない等の動作困難が見られます。
リウマチとの違い
・朝に関節のこわばりがみられない
・指の第1関節にのみ起こる
・採血データに現れない
・発熱がない
・関節を動かさなければ痛みがない
4:診断と検査
へバーデン結節の診断は、視診、触診などの理学所見(診察)とX線による画像診断で行われます。DIP関節の腫れや熱感、変形、動き(屈伸)は悪い、痛みの有無を診察することのほか、X線では、関節の隙間(骨と骨との間)が狭くなっったり、関節が壊れたり、骨のとげ(骨棘と言います)が突出するなどの所見があれば、へバーデン結節と診断されます。
5:治療法
安静と対症療法(保存的治療)が中心となります。腫れや熱感があれば患部を冷やしたり、軽くマッサージを行ったり、テーピングや装具により関節の安静を保つことで痛みを軽減することはできます。また、痛みが強い場合は消炎鎮痛剤を飲んだり、外用薬(湿布や塗り薬)を使ったりすることも行います。
個人差があり、数か月から数年のうちに痛みは落ち着くことが多いので、手術にいたる方は、多くはありません。しかし、変形が進行して痛みが消えなかったり、日常生活に支障を来したりした場合は手術を行うこともあります。
6:最後に
中高年の女性に多い病気で、関節リウマチと間違われる方も多い病気です。関節リウマチにしろ、へバーデン結節にしろ、大変な病気に変わりはなく、苦しまれている方がたくさんいらっしゃると思います。病気に対する理解度を上げて、日々のケアに生かしていくことが、ケアをする人間にとって大切なことだと考えています。
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