ヘルパーができる医行為でない行為⑯口腔ケア

医行為ではない行為
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今回は、ヘルパーができる医行為でない行為⑯口腔ケアについて書いていきたいと思います。

介護太郎
介護太郎

基本的な口腔ケアの方法はあるの?

介護花子
介護花子

口腔ケアの関する豆知識は何かあるのかしら?

走る介護福祉士
走る介護福祉士

そのような疑問にお答えします!!

参考書籍・参考サイト
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介護で使える!「医行為でない行為」がすぐできるイラスト学習帳 [ 服部万里子 ]
東京都保健所・口腔ケアマニュアル

歯周病が関係する病気の一例について知りたい方は➡こちら
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走る介護福祉士
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②介護で使える!「医行為でない行為」がすぐできるイラスト学習帳 [ 服部万里子 ]
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準備

・歯ブラシ
・歯磨き粉
・コップ
・水
・タオル
・使い捨て手袋
・洗面器
・ガーグルベースン(必要時)

手順

①利用者に安定した姿勢になってもらう。

②手洗いし、物品を準備する。

③顎を引いて、安定した姿勢をとってもらう。

④義歯がある場合は外す。

⑤ブラッシングを行う。(自分でできることは行ってもらう)

⑥磨き残しがないか確認する。

⑦口をすすいでもらう。

⑧物品を片付ける。

⑨手洗いする。

豆知識

□代表的な磨き方と歯ブラシの使い方

・スクラップ法

歯に対して歯ブラシを90度にあて、1本1本ていねいに軽くこする。
(1か所20~30回)

・バス法

歯と歯茎の境目に歯ブラシを45度にあて、小刻みに動かす。
(歯周病予防に効果的な磨き方)

・ロール法

歯茎に歯ブラシをあて、歯の側面に沿ってなでるように磨く。
(歯茎の弱い方に最適な磨き方)

・フォンズ法

軽く歯を噛み合わせ、円を描くように歯ブラシを動かす。

前歯の裏側は、歯ブラシの「つま先」や「かかと」を使って磨く

□口腔内の汚れやすい部分

上記のほかに、治療痕(金属を詰めた所)、虫歯のある所、麻痺がある方は、麻痺側の歯が汚れやすい!!

□口腔内の細菌の数

口腔内の唾液1ml中の細菌は、10億個。
さらに、ケアをしないと10倍になる。

□唾液の働き

1日に1ℓの唾液が分泌され、細菌が口腔粘膜や舌・歯の表面などに付着・増殖するのを防ぐ。

※口腔衛生を綺麗に保たないと、誤嚥性肺炎のリスク上昇※

誤嚥性肺炎とは何か?

口の中は食べかすやそれを餌にして繁殖した細菌の巣窟となっており、それが誤って気管から肺に入り、病巣を作り炎症を起こすこと。(全人口おける死因トップ5に肺炎が入っている)

誤嚥性肺炎の起こり方は主に3つ!!

①食事中、飲食物が食道ではなく、誤って気管に入る。
②睡眠中気づかないうちに、細菌を含んだ唾液が気管に入る。
(特に高齢者では②が多い)
③胃の内容物が逆流して気管に入ってしまう。

そもそも誤嚥とは??

正常に嚥下(飲み込み)がなされない状態。
つまり、食べ物が食道に入らず、気管の中に入ってしまうこと。

Q&A

Q:歯磨き粉は使用したほうが良いですか?


A:歯磨き粉を使用使用しなくても十分に効果は得られます。

歯磨き粉には
①歯垢や色素を落とす。
②清涼感があり口臭をカバーする。
などの効果がありますが、歯垢を落とすにはブラッシングだけでも十分です。

歯磨き粉のつけすぎは、注意が必要です。
なぜなら、きちんと口をゆすげない人だと、歯磨き粉が口の中に残り、誤嚥や肺炎の原因になることがあります。

Q:高齢者にとって良い歯ブラシとは?


A:やわらかく、握りやすいものを選びましょう!

高齢者の歯牙(歯のこと)や歯茎は、乾燥して傷つきやすくなっています。
歯ブラシは柔らかく、ヘッドの小さな(2㎝くらい)ものを選びます。
磨くときは、力を入れず、マッサージするように磨きましょう!

Q:直接歯を磨かなくてもできる口腔ケアって何かあるの?


A:口の周りの筋肉を動かしたり、唾液をたくさん出すことも口腔ケアにつながります。

利用者と積極的に話すことで、口の周りの筋肉や舌を使い、口腔機能を維持することができます。
また、「発音が聞きとりずらくなってきた」「口数が少なくなった」などの些細な変化に気づくことができます。

化粧や髭剃りの途中で「耳下腺・顎下腺・舌下腺」という唾液腺を刺激することで、唾液の分泌を促すことができます。

例えば、クリームを塗りながら、頬に両手をあてて、軽く上に持ち上げたり、ひげを剃る際に、肌を伸ばすのも効果的です。

最後に

口腔ケアは、食事をとっている方はもちろん、口から食事をとれない方(胃ろう・経鼻栄養等)にもとても大切です。
全人口おける死因トップ5に肺炎が入っていますが、細菌を含んだ唾液が気管に入ることで、誤嚥性肺炎になりやすくなってしまいます。
口腔ケアは、口の中の細菌を減らし、口腔内を清潔に保つだけでなく、誤嚥性肺炎を防ぐこともできる、とても大切なケアです。
基礎をしっかりおさえて、適切なケアを提供していきましょう!!

参考になれば幸いです。

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