今回は、ヘルパーができる医行為でない行為③軟膏について書いていきたいと思います。
正しい軟膏の塗り方はあるの?
軟膏が2種類ある場合は、どんな順番で塗ればいいの?
そのような疑問にお答えします!!
参考書籍
・介護職にできる「医行為でない行為」ビジュアルガイド 爪切りはOK?浣腸はNG? 安全で正しい手順がイラストでまるわかり!/渡辺裕美/藤澤雅子/秋山恵美子【1000円以上送料無料】
・介護で使える!「医行為でない行為」がすぐできるイラスト学習帳 [ 服部万里子 ]
訪問介護のヘルパーなら最低限押さえておきたい必読書4冊!!
①のほほん解剖生理学 [ 玉先生 ]
・体の仕組みについて、漫画で分かりやすい!!
②介護で使える!「医行為でない行為」がすぐできるイラスト学習帳 [ 服部万里子 ]
・イラストで解説されており、医行為でない行為が判別できるようになる!!
③ユマニチュード入門 [ 本田美和子 ]
・認知症の方を含めた介護の基本中の基本が学べる!!
④認知症世界の歩き方 [ 筧 裕介 ]
・認知症の方の世界の見え方を理解し、現場で生かせること間違いない良書!!
準備
□軟膏やクリーム剤
□タオルやひざ掛けなど(プライバシー保護)
【必要時】
□清拭用具:塗布する皮膚や汗の汚れを拭き取る。
□ガーゼ等:軟膏塗布後に、衣服への付着を防ぐもの。
□使い捨て手袋:軟膏がヘルパーの手に付着しては困る場合。
□綿棒:薬剤を塗る場所が、ごく小さい場合。
手順
①手を洗う。
②安定した姿勢になってもらう。
・必要部分を十分に露出し、他の部分はタオルなどで覆う。
③塗布する皮膚を観察し、必要時には皮膚を清拭する。
・前の軟膏が残っている時は、場合により清拭をする。
④軟膏やクリーム剤を塗布する。
※医師から塗布方法について指導がある場合は準ずる。
単純塗擦法(1種類のみ)
・軟膏は、油膜を作るイメージで塗布。(原則として擦り込まない)
・クリーム剤は皮膚への浸透が高いので軽く擦り込む。
重層法(2種類以上重ねる)
・医師の指導がない場合は、原則として親水性のもの(クリーム)から塗布する。
※塗布範囲は、原則として患部より少し大きめ(ややはみ出るくらい)に塗る。
豆知識
□クリーム剤は、乳化しているため、傷がある場合ヒリヒリとした痛みが出る。
□薬剤量の目安:指の第一関節半分で、手のひら大の面が塗れる。
□皮膚は部位によって吸収率が違う。
顔面は、腕の吸収率の10倍以上⇒顔面へのステロイド剤は薄く塗る理由。
(腕内側1.0 頭3.5 額6.5 背中1.7 手のひら0.83 足の裏0.14 他
(アトピー性皮膚炎専門医ガイドより)
□保湿剤は手のひらで温めながら、普通よりたっぷり多めに(1.2倍)塗る。
皮膚が乾燥している状態で塗るよりも、ある程度、体が湿っている状態で塗ったほうが保湿効果は高まる。
広く塗る場合は、薬剤を点在させてから塗る。
皮膚にトラブルがなければ、マッサージ効果も狙い、よく擦り込む。
皮膚の乾燥対策におすすめの食材
皮膚の乾燥には食事が大きく影響します。
皮膚は約1か月で代謝によって生まれ変わり、その代謝の時に新しい皮膚の材料になるのが、日頃、食べている食べ物です。
しっかりと食事が摂れていないと、代謝機能が低下して、皮膚に潤いを与える皮脂も減っていきます。
それが、乾燥の原因になるのです。
たんぱく質はもちろんですが、下記の食材も積極的に取り入れましょう!!
【あぶら(EPAなど)】
・オリーブオイル
・豚肉
・イワシ
【ビタミンA・B群】
・マグロ・カツオ
・海苔
・豚肉
【亜鉛】
・チーズ
・カキ
・うなぎ
最後に
ヘルパーは、利用者の様子や変化にいち早く気づくことができる存在です。
着衣の下の皮膚の状態についても、もっともよく知ることができ、皮膚の変化に気づくことで、「処方された薬が合わない」「新たな皮膚疾患」などを発見することができます。
「ヘルパーの気づき」を関係職へ連携することが、ヘルパーとしての大事な役割になり、あなたのその気づきが、利用者のQOL(生活の質)を上げることができるのです。
参考になれば幸いです。
コメント